公認会計士が選ぶ高配当株スクリーニング5つの基準

堅実投資

「どうやって高配当株を選べばいいですか?」

これがぼくのところに来る、最も多い質問です。

ぼくは公認会計士・税理士として30年以上、企業の財務を見続けてきました。その経験から絞り込んだ「高配当株スクリーニングの5つの基準」をお伝えします。この5つを通過した銘柄だけを買えば、致命的な失敗はほぼ避けられます。

スクリーニングとは何か

スクリーニングとは、数千ある上場銘柄の中から「条件に合う銘柄だけ」を絞り込む作業です。SBI証券や楽天証券のスクリーニング機能を使えば、無料でできます。

ぼくはこの5つの基準で、まず候補を10〜20銘柄まで絞ります。その後、個別に決算書を確認して最終的な投資判断をします。

基準1:配当利回り 3.0%以上

まず「そもそも高配当かどうか」の最低ラインです。

利回りが低すぎる銘柄は、高配当投資の目的に合いません。一方で6〜8%を超える利回りは「罠」の可能性が高い(株価が下落して見かけ上の利回りが上がっているケース)。

判断:3.0〜5.5%が狙い目。6%超は要精査。

基準2:配当性向 60%以下

「利益のうち何%を配当に回しているか」を示す指標です。

配当性向が高すぎると、業績が少し悪化しただけで減配リスクが生じます。ぼくが設定しているラインは60%以下。これで「まだ増配できる余地がある」企業を選びます。

注意:銀行・保険などの金融株は配当性向の基準が異なるため、別途確認が必要です。

基準3:連続増配 10年以上(または累進配当方針)

これが最も重要な基準の一つです。

10年以上連続増配してきた企業は、それだけ「業績の安定性」と「株主還元への意識」を証明しています。リーマンショックやコロナショックを経ても増配を続けてきた企業は、今後も続ける可能性が高い。

連続増配のデータは、証券会社のスクリーニングや「配当株ドットコム」などのウェブサービスで確認できます。

累進配当(減配しないことを方針として明言している企業)も同様に評価します。三菱UFJや三菱商事などがこれに該当します。

基準4:営業キャッシュフロー 3期連続プラス

「本業で実際に現金を稼いでいるか」を確認します。

利益はある程度「会計上の工夫」で操作できますが、キャッシュフローはごまかしにくい。営業CFが3期連続でプラスの企業は、本業の稼ぐ力が安定している証拠です。

確認方法:各社のIRページまたはYahooファイナンスの「財務情報」から確認できます。

基準5:自己資本比率 30%以上(非金融企業)

財務的な安全性の指標です。

自己資本比率が低い企業は「借金が多い」状態です。景気悪化時に配当を削って借金返済に充てるリスクがある。30%以上あれば、ある程度の安全マージンがあります。

例外:金融業(銀行・保険・証券)はビジネス構造上、自己資本比率が低くなるため、この基準は適用しません。

5つの基準を通過した銘柄例

2026年6月時点の参考として、5基準をすべて満たす銘柄の例:

  • KDDI(9433):利回り約4.3%・配当性向42%・24年連続増配・営業CF安定・自己資本比率44%
  • NTT(9432):利回り約3.6%・配当性向40%・14期連続増配・営業CF安定・財務安定
  • 伊藤忠商事(8001):利回り約3.2%・配当性向30%台・累進配当方針・営業CF安定

※投資判断は自己責任でお願いします。

スクリーニング後にやること

5つの基準を通過した銘柄を絞り込んだら、次は個別分析です。

  1. 直近の決算資料を読む(業績トレンドの確認)
  2. 競合他社との比較(業界内での立ち位置)
  3. 事業の参入障壁の確認(10年後もビジネスが続くか)

この3ステップで最終的な投資判断をします。

まとめ:5つの基準で「負けにくい」銘柄を選ぶ

  • 配当利回り 3.0〜5.5%
  • 配当性向 60%以下
  • 連続増配 10年以上(または累進配当方針)
  • 営業CF 3期連続プラス
  • 自己資本比率 30%以上(非金融)

このスクリーニングは「完璧な銘柄」を探すためのものではありません。「致命的な失敗を避けるための入口フィルター」です。

ぼくが実際に使っているスクリーニングシートや、現在の保有銘柄一覧はnoteのメンバーシップで公開しています。ぜひ活用してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました