久しぶりのブログ更新です。
気づけば最後の投稿からずいぶん時間が経ってしまいました。「書かなきゃ」と思いながら日々の業務に追われ、気づいたら数ヶ月……というサイクルを繰り返していました。
ただ、今回どうしても書きたかった。「これだけは、今すぐ伝えたい」という気持ちが強くなったからです。
テーマはNISA(少額投資非課税制度)。税理士として、日々多くの方のお金の相談に乗っています。そのなかで、ここ最近とくに気になっていることがあります。
「NISAはいずれやろうと思ってるんですよね」
この言葉を、今年だけで何十回聞いたでしょうか。
“また来年でいいか”の本当のコスト
あなたは、こんな経験はありませんか?
「新NISAが始まったのは知ってる。でも、相場が不安定だし、もう少し落ち着いてから始めよう」
「口座開設が面倒くさそう。来月の連休にゆっくりやろう」
「毎月いくら積み立てるか決まったら始める。今はまだ準備中」
私自身も、正直なところ、何年か前はそうでした。「いずれ」「そのうち」「来年から」——気づけば3年が経っていた。
では、その3年間で何を失ったのか。具体的に計算してみます。
リアルな数字で見る「先延ばしコスト」
仮に、毎月5万円を積み立て、年利5%で運用したとします(eMAXIS Slim 全世界株式などのインデックスファンドの長期平均を参考にした数値です)。
| 開始時期 | 積立期間 | 積立総額 | 運用後の資産 |
|---|---|---|---|
| 2022年1月(3年前) | 40年 | 2,400万円 | 約7,600万円 |
| 2025年1月(今) | 37年 | 2,220万円 | 約6,600万円 |
差額:約1,000万円
毎月同じ金額を積み立てているのに、たった3年の差で1,000万円変わります。これが「複利」の力であり、「先延ばしコスト」の正体です。
しかも、NISA口座なら運用益・配当金がすべて非課税。通常は利益の約20%が税金として取られますが、NISAではその分もまるごと手元に残ります。
新NISAで何が変わったのか——税理士が要点だけ解説
2024年からスタートした「新NISA」は、旧制度から大きく改善されました。ポイントだけ整理します。
① 非課税期間が「無期限」になった
旧NISAは最長20年(つみたてNISA)という制限がありました。新NISAはいつまでも非課税のまま保有できます。
② 投資上限額が大幅に拡大
- 積立投資枠:年間120万円
- 成長投資枠:年間240万円
- 合計:年間360万円・生涯1,800万円(旧つみたてNISAの9倍)
③ 制度が恒久化された
「期限が来たらどうなるの?」という不安がなくなりました。いつ始めても同じ条件で使えます。
④ 売却した枠は翌年に復活する
使った非課税枠は、売却すれば翌年に再び使えるようになります。資産を柔軟に動かせる設計です。
“今からでは遅い”は本当か?
「もう30代後半だし……」「40代から始めても意味ないですよね?」よく聞かれます。答えははっきりしています。
遅くありません。今日が、残りの人生でいちばん若い日です。
40歳から毎月5万円、年利5%、65歳まで25年間積み立てた場合——積立総額1,500万円が約2,900万円に。1,400万円の運用益がまるごと非課税です。通常の課税口座なら約280万円が税金として消えますが、NISAなら手元に残ります。
始めるのに、遅すぎるタイミングはありません。
まず、これだけやってください
Step 1:証券口座を開く(10〜15分)
SBI証券・楽天証券・マネックス証券など、ネット証券でオンライン完結で開設できます。
Step 2:積立金額を決める(月3,000円でも構わない)
「完璧な金額」を考え続けるより、小さく始めることが大切です。あとから増額できます。
Step 3:全世界株式インデックスを選ぶ
銘柄選びで悩む必要はありません。「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」一択でまず問題ありません。あとは放置でOKです。
最後に
税理士として伝えられる、いちばん正直なアドバイスはこれです。
節税を考える前に、NISAを使い切ってください。
どんな節税策よりも、NISAの非課税効果は強力で、シンプルで、リスクが低い。複雑な仕組みも、怪しい商品も必要ありません。
「いずれやろう」と思っているなら、今日がその日です。
久しぶりの更新が長くなりましたが、それだけ伝えたかったということで、ご容赦ください。また定期的に更新していきます。引き続きよろしくお願いします。
※本記事の運用シミュレーションは将来の運用成果を保証するものではありません。投資はご自身の判断と責任で行ってください。

コメント